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“プラスα”の専門性を

2018年4月18日

新年度が始まった。学校を卒(お)えて就職してくる人を迎えるとき、かつて自分にもそんなときがあったなあと、ちょっと感傷的にもなる。月並みだが、やはり“希望と不安が交錯する”というのがそのときの心情だろうと思う。46年も前になってしまったが、私もそうだった。

その当時も今も、「福祉・介護」は、けっして華やかな職業ではない。ましてや昨今若い人に不人気と聞いている。そんな状況下であっても「この仕事をこの職場で」と選んだ若者たちの心意気にエールを送り、心から歓迎したい。

ところでつい半年前、ホリエモンこと堀江貴文氏が「誰でもできる仕事だから」保育士の給料は安いのだとTwitterで発言してネット世論が沸騰した(2017年10月)。その1年前、ホリエモンは「介護士」についても同様の発言をしている(2016年8月)。つまり、これはわれわれ福祉関係者に向けられたメッセージでもあると思う。歯に衣着せぬ物言いの著名人だけに、その発言には大方の反応、特に名指しされた仕事にある者は、自らの職業を侮辱・愚弄されたと猛反発した。しかし私は彼を“世間のホンネの代弁者”とみているので、それほどケシカランとも感じなかった。冷静にみれば、間違った主張とも言い切れないのではないか。

子育てや身内の扶養・介護はもともと家族や共同体で行われてきた営みだ。それが時を経て職業として成立したのが保育士であり福祉・介護職ということになる。本来誰もがやってきたことだから、(やろうと思えば)「誰にでもできる」のはある意味当然なのだ。そしていまは“誰にでもできるわけではない”仕事として社会全体で認知されているのも確かだ。

そんな事情を承知の上で、こういう意見もある。

「ホリエモンさんの考え方は合っています」「保育士の仕事は資格なしで誰でもできる現状があります」とネット上で発言しているのは「保育歴8年」の「保育士ヨーコ」さんだ。仲間の多くを敵に回すような勇気ある発言だ(https://hoikusec.com/horiemon)。

彼女はさらにこう言う。

「保育士の専門性は可視化しづらい。やろうと思えば誰にでもできるのは確かかもしれないけれど、そんな保育をしている保育園はいずれダメになる」。「当たり前のこれまでを何ら反省しようとしないからダメ」というホリエモンの意見に「賛成」と述べ、彼からは「保育士としての専門性を高める努力、保育業務の効率化を検討する努力、まずそこから頑張ってみなさいよ」と保育士はエールを送られているのだ…と。

保育士ヨーコさんが、関係者の多くが反発するホリエモンを支持するのは、「専門性を磨く」必要性を痛感しているからだ。

では“専門性を磨く”とはどういうことか。彼女の表現を借りれば、「資格プラスα」の力を身につけることである。資格(国家資格)の取得は大前提。その上で、(セミ)プロ級の“プラスα”のスキルをもつ。「英語が話せる保育士」「幼児体操教師資格を持った保育士」「リトミック講師ができる保育士」を例に挙げている。障害・高齢分野だと、医療や心理に関する知識や技術、日中活動や就労支援に有効な特技(工芸、農業、園芸…)、パソコン技能…等々になろうか。

これら「プラスα」を有する専門職集団づくりこそが、利用者のニーズに応え、地域社会からの信頼を得る道であり、愛光の今後の成長のカギでもある。

(法澤 奉典・のりざわ とものり)

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