第8回愛光実践発表会 報告
2019年4月3日
・3/1(土)にはちす苑千田ホールにて、“第8回愛光実践発表会”が行われました。
本年度は、どの施設もレベルが高く、実践発表にふさわしい会になりました。
【最優秀賞】
「誤投薬0(ゼロ)を目指して」
特別養護老人ホームはちす苑 ケアスタッフ 日野 史生
【優秀賞】
「木・金 めいわ!」僕の居場所
めいわ 根郷通所センター 生活支援員 齋藤 弘樹・福田 諒
【理事長賞】
「ヘレンホーム支援改善」~ゆとりのある支援を目指して~
ルミエール ケアスタッフ 藤山 大輔・岡 浩太郎
≪その他参加者≫
「夜に飲み会やりてぇだよ」~職員主体から利用者主体へ~
リホープ 生活支援員 吉田 伸作・佐原 麻美・仲山 賢一郎
「待つ包括から出向く包括へ」~ともいき社会実現への挑戦~
南部地域包括支援センター 社会福祉士 森 由美子・加瀬 章代・川上 昇平
【講評】 順天堂大学 スポーツ健康科学部 健康学科 先任准教授 松山 毅氏
今年はいずれの発表も力のこもったよい実践発表で、難しい審査となりました。どの発表もよく準備されており、スライドは分かりやすく、時間内で終わり素晴らしかったです。プレゼンテーションにも工夫があり、伝えようという意欲を感じました。 各発表に共通しているのは、課題が明確に示されていたという点です。日々の実践の中から積み上げられてきた問題意識を取り上げ、より良い実践のための試行錯誤が示されており、その結果どうなったのかということまで丁寧にまとめられていました。単なる実践報告ではなく、テーマをもって実践を積み重ね、評価するという一連の流れが意識されていたと思います。 欲を言うと、ちょっときれいにまとめすぎたところがあるかな、という点が残念でした。私は失敗も含めて実践だと思います。仮説をたてて、実践し、うまくいかなかったなどのプロセスに、もう少し触れても良かったのかなと思います。 審査委員会の中で出た意見として、実践してどうだったのか、利用者の反応はどうだったのか、利用者からの言葉はどうだったのか、利用者自身にどんな変化があったのか、といった結果に対する利用者からの評価や利用者の変化などにも触れられるとよかった、というものがありました。報告者の視点から実践をまとめるのは仕方ありませんが、あわせて利用者や職員、施設の変化や効果なども実践の評価の視点に入れるようにしてほしいところです。今回は発表時間が10分と短いものでしたので、どうしてもそのような要素まで組み込めなかったのかと思います。今後の課題としていただければと思います。 また今後は1事業所や1施設を飛び越えた共同の研究ができると良いと感じました。法人の方針でもある「ともいき社会の創造」、地域包括ケアシステムの推進など、属性や制度、事業所を横断的に取り組む実践、研究にもチャレンジしてほしいですね。 今回の発表を聞きながら、あらためて「支援」の意味を考えさせられました。愛光の利用者も高齢化が進み、手厚いケアを必要とする割合も増えています。非常に大変な仕事で、職員の皆さんもモチベーションを維持するのが難しいと思います。そのような多忙な業務をこなしながらも、年に1回、このような場で発表することは、自分たちの支援を見直す機会になりますし、評価してもらう機会にもなります。よい実践を皆で共有し、利用者支援の質を高める取り組みは、結果として職員の仕事のやりがいやプライドにつながるものです。各事業所の管理者の方も含め、こういう法人全体での実践発表の機会を、研修としても上手に活用していけるとよいと思います。 発表者の皆様、お疲れさまでした。来年の実践発表会も楽しみにしています。
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